《教会を知る Vol,4》ラピスラズリの星空

教会の天井に輝く真っ青な星空を見た事はあるだろうか。見上げたその瞬間、その美しさに動けなくなるような、心洗われるあの感動は、時間が経っても色褪せず、目を瞑るだけでも蘇る。本当になんて美しいのだろう。。確かに真っ暗な中で見上げた夜空とそこに…

パリで行きたい凱旋門

パリに来て、『凱旋門へ!』というとシャルル・ド・ゴール広場のそれが真っ先に思い浮かぶのではないか。まさにパリのシンボルのような存在感で、まっすぐ伸びるシャンゼリゼ通りのその先に堂々と聳える凱旋門。巨大な門から放射状に伸びる何本もの通りや、…

映画『ディリリとパリの時間旅行』ー目も想いもパリに浸るー

休みの取れなかったこの夏に、『ディリリとパリの時間旅行』というタイトルの映画は私には十分すぎるほどに魅力的だった。特に以前『19世紀パリ時間旅行』という展示に行き逃し、泣く泣く図録だけを購入しひたすらに後悔した想いがあったらか、『パリの時間…

「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」

以前書いたコルビジェ について、また2月に始まる展覧会の時にまた書きたい。と締めていたので、改めて書いてみたいと思う。 現在上野にある西洋美術館で行われている「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」表題の通りピュリスムを軸に構成さ…

2019年4月15日にノートルダム大聖堂で

今朝は妹からの「ノートルダムが燃えている」という連絡で目を覚ました。最悪に衝撃的な事実に、悪夢が続いているだけであって欲しいと思った。ただそれはまぎれもなく本当の出来事だった。現地からあげられる映像や画像がより悲痛な想いを含んで、こんな遠…

ビショーネという宝探し

人が蛇のような生き物に今にも飲み込まれようとしているそんな瞬間を描いたマーク。言葉にするとなんだか恐ろしいが、きっと多くの人があの有名な車のメーカー『アルファロメオ』のエンブレムとして目にしたことがあるだろう。 このマーク、実はイタリア、ミ…

《教会を知る Vol,3》教会の管理人

教会を訪れるとその外壁にも内側の空間にも、見渡すほどに人の姿を掘ったり描いたりした図像に出くわす。それが誰なのかと一人一人理解していくのは到底難しい話であるが、その中でも1番にわかりやすいのはキリストと聖母マリアだと思う。大抵は中央に描かれ…

アトリエ・ブランクーシという作品

ブランクーシを初めて気に留めて観たのは大学に入ってすぐの時だった。大学内にある美術館の舞台裏、所蔵作品の中であまりににもシンプルな金色のつるんとした塊が光り輝いていた。なんでもないのに異様な存在感を放つこれはなんだろうとその時は心に引っか…

年の始まりに

毎年の年賀状には干支を入れるというのが自分のルールなのだが、今年はなかなかに悩んでしまった。中国から来ている干支の文化だが、特に中国本来の意味の中で表現しようということでもない。ただ何かしらの意味のある願いが込められたらと思って贈るように…

ピカソと悲しみのミノタウルス

ピカソは自らをミノタウルスとし描き、語ることがよくあった。幼少のバルセロナ時代に見ていた闘牛の生と死がせめぎ合う強烈な印象から始まり、ミノタウルス自体の神話とも繋がる、生涯切っても切り離せない彼の分身として。ピカソにとってそれはスペイン人…

平面と空間を行き来する -サヴォア邸の不思議-

パリに何度も行きたくなる理由の1つ、イル・ド・フランス。市内から少し出かけたあたり、パリの周りはまた見るべきものに囲まれている。その中に、車や電車で20分くらいのところ、ル・コルビュジエの名作サヴォア邸がある。日本でも上野にある西洋美術館本…

「駒井哲郎―煌めく紙上の宇宙」

日本での銅版画の位置付けは決して高いとは言えない。作品としての値段で言えば、複製が可能な版画はもちろん世界中で低くはなるが、日本でのその歴史は比べ物にならないほど近年に入ってから確立されてきた。と言いつつも、その後すぐにプリンティングの技…

《教会を知る Vol,2》 2種類のキリスト磔

美術館でも、本の中でもそうだが、キリストが十字架にはりつけられているにもかかわらず、目をバッチリと開いている姿に出会うと私は少し不気味に感じる。それが薄暗い教会の中であれば、出会った瞬間ギョッとしてつい目をそらしてしまうだろうと思う。それ…

偶然のお土産

旅の最中にある必然の出会いの中に、ふと、偶然の出会いが紛れ込むことがある。今年の春に起こったそれは、ヒエロニムス・ボスの祭壇画との対面であった。 ヴェネツィアのアカデミア美術館。そこにあったのが『聖女の殉教』という三連祭壇画である。 『聖女…

「アルヴァ・アアルト――もうひとつの自然」

『アルヴァ・アアルトーー もうひとつの自然』が現在、神奈川県立近代美術館葉山で行われている。 アルヴァ・アアルトはフィンランド出身の建築家であり、家具ブランド『アルテック』の設立者でもある。日本ではその椅子やシェルフ、花瓶などでよく知られて…

奇跡に出会う旅 -ヴェネツィアで-

人間、『奇跡』という言葉にはつい惹かれてしまうのではないかと思う。長く歴史に残るそれであれば、私にとっては更に魅力的に輝く。ヴェネツィアに向かう前、手にした本の中に書かれていたガラスの奇跡は、そんな私を簡単に魅了した。 ムラーノ島 ヴェネツ…

デンマーク発『HEY』期間限定ショップ

日本初の『HEY』のshopが10月から期間限定でオープンしている。 Rolf Hayが2002年に設立したデンマーク発のインテリアプロダクトブランドで、軽快でカラフルな色使いや、50〜60年代のデンマーク家具のデザインを取り入れながらも現代らしいデザインアイデア…

クリスマスとは何の日か

ハロウィンも終わると本格的にクリスマスの雰囲気で街中が彩られてきた。日本人は一年中何かしらのイベントを楽しみにする幸せ体質だと思うのだが、中でもクリスマスはより特別なものらしい。 クリスマスをなぜクリスチャンでもない日本人が祝うのか。という…

変わらないことへの憧れ

戦後初めてヨロッパ取材を実現した写真家、木村伊兵衛の写真展『パリ残像』になんとか駆け込みで行くことができた。 1954年から55年に撮られたそのパリは、まるでこの間のように今も見られる姿と変わらず映る。強いて言えば、ライカとカラーフィルムが作り出…

ペギー・グッゲンハイムという女性

美術コレクターのコレクション美術館の中でも、ヴェネツィアのペギー・グッゲンハイム・コレクションは妙に感情的で人間味の溢れる空間だと感じたのを覚えている。もちろん邸宅をそのまま美術館として開いているのだから、その雰囲気も手伝っていると思う。…

命名に共通する小さな悪意 -ロマネスクとゴシック-

普段私たちの使用している何気ない用語には、過去の人々の小さな悪意が潜んでいることがよくある。 妬みやプライドがそれらの言葉を作り出すのだが、その事実は薄れ意味を除いたその言葉単体で人々に認知されているのを目にすることは多いのだ。実は教会の様…

シャルトルブルーよりも美しいこと

シャルトルブルーが美しい暗がりの中で浮かび上がる、そんな神秘的なステンドグラス。ただのブルーではなく、長い時間をかけて空気中の微生物を身に纏いながら深みを増していった、誰もが見惚れるシャルトルブルー。ロダンをも魅了し幾度も通わせた大聖堂だ…

間違いのないパリのバゲット

パリ、モンマルトルの丘を下ったところABBESSES(アベス)駅の近くにあるPAIN PAIN。2012年にパリの最優秀バゲット賞を取り、一年間大統領官邸にも納めていた職人が2015年に新しく開いたお店。パリでパンを食べるときにはぜひおすすめしたい場所である。 鮮や…

好かれ上手なヘルメス

一般的にヘルメスがどれほどの知名度かわからないのだが、美術を勉強してきたものにとっては必ずこのギリシャ神話の神に悩まされた経験があると思う。なんなら私自身彼のせいで美術を学ぶか、諦めようか考えたことがあるくらいだ。なんか大げさな気もするが…

長老時計が眺め続けたパリの姿

シテ島の入り口、橋を渡りきったところに輝く大きな時計。何者かわからずとも、その存在感に多くの観光客がカメラを向けるのを見かける。特にこのあたりは隣にサント・シャペル、もう少し歩くとノートルダム大聖堂、土日には花や小鳥のマーケットで賑わう観…

黒くされたカラス

現代の日本では嫌われ者のカラスだが、そんなカラスにも綺麗な逸話がいくつか存在する。 都会の中とは違った綺麗な鳥に見える 一番有名なのはノアの箱舟に登場する鴉だと思う。ノアの大洪水の際、まず最初に放たれたのが鴉であり、吉凶を占うための鳥として…

《教会を知る Vol,1》数字を見つける

教会を読み解くためには、造られた年代や様式など詳しく知識を学ぶのが一番だが、専門家になるわけでもないし、奥も深く難しい。なので旅先でふと思い出せるくらいの、ちょっとした知識をこれから少しづつ記録していきたいと思う。 最初はキリスト教で重要と…

ロンドン地下鉄に見つける日本人デザイナー

私の好きな文字の中にロンドン地下鉄専用の"Johnston"という文字がある。 ただ自分好みのデザインということもあるが、ロンドンの街全体で愛され、長い間大切に使われている文字というのがロンドンを見渡すほどに伝わってくるところがいい。 なかなかそんな…

ヴェネツィアのサンタルチアに会いに

ヴェネツィアの玄関口、唯一の列車の発着口である駅にはサンタルチアという名前がついている。本来であれば南イタリアの聖人であるサンタルチア。なぜ彼女の名前がここヴェネツィア地で使われているのか。 結論は単純で、戦いの戦利品として奪い持ってきた彼…

パリの香水博物館、早すぎる閉館

先日、パリの香水博物館、ル・グラン・ミュゼ・デュ・パルファン(Le Grand Musee du Parfum)の突然の閉館の知らせに驚いた。たった5年の間だったのが本当になくなるのを残念に思う、綺麗な展示をしていた。 特にミュージアム好きとしては、いろいろのな人…